人間に2度も見捨てられたブルドッグ….1本の電話で命が救われる

飼い主からブリーダーに返されてしまったブルドッグ。
そのブリーダーもまた病気のブルドッグを見て、
まるで物のように捨て去ります。
人間から2度も見捨てられたブルドッグは、
まるでボロ布のような姿に。
しかし、見捨てる人間ばかりではありませんでした。
路上で発見された「ボロ布」のようなブルドッグ
このブルドッグは、
アメリカ・マサチューセッツ州の小さな町、
ファルマスで発見されました。
たまたま散歩で通りかかった若い男性が、
通りの向こうにある「茶色い塊」に違和感を覚えたのです。
普段からこの道を通っている男性は、
何か不審なものかもしれない、と
通りを渡りその塊を確認しにいきます。
するとその「茶色い塊」は力なく動いたのです!
それで初めてその「茶色い塊」がブルドッグだと
いうことが分かりました。
それほどに変わり果てた姿だったのです。
あまりにも弱々しいブルドッグの呼吸は、
そう命が長くないことを知らせていました。
それでも、男性はブルドッグを見捨てずに、
地元の動物保護団体『Adopt-A-Bull Terriet Rescue』に、
救助の電話を入れたのです。
出典:www.adoptabullterrierrescue.co.uk
標準体重の半分以下にまで痩せ細っていた…
動物保護団体のスタッフが到着するまでの間、
男性は衰弱しきったブルドッグを励まし続けます。
呼吸が荒くならないように、優しく静かに見守りました。
動物保護団体が到着すると、スタッフは段ボールに
ブルドッグを入れましたが、その軽さに驚いたといいます。
ブルドッグらしい逞しさはまったくなく、
ガリガリに痩せて全身の被毛は半分以上も抜け落ちていました。
出典:www.adoptabullterrierrescue.co.uk
ブルドッグは施設内の治療室に運ばれました。
診察した結果、おそらく1歳半にも満たない
若いメスであることが判明します。
体重を計ってみると、わずか9kgでした。
健康なメスのブルドッグの体重は23kg程度ですから、
保護犬は半分以下の体重しかなかったのです。
捨てた人物を特定
動物保護団体は、世界的にみてもどの団体も資金不足です。
この団体も例外ではなく、資金的には余裕がない状態ですが、
このブルドッグが健康になるまでしっかりと
面倒を看ることを決めました。
それと同時に、Facebookで、この犬に十分な
ケアができるよう募金を呼びかけます。
結果的に多くの寄付金が集まり、
団体は人々の好意に感動したといいます。
出典:www.adoptabullterrierrescue.co.uk
団体は、このブルドッグを捨てた人間を
見つける必要がある、と調査を開始しました。
その結果、ブルドッグの飼い主が判明。
もしかしたら、マイクロチップが入っていたのかもしれません。
飼い主は、このブルドッグの毛に、
「ダニ」が付いていという些細な理由で、
購入したブリーダーに返していたのです。
ブリーダーであれば、無知な飼い主に動物病院に連れて
行くことを促すのが役割でしょうが、
このブリーダーもまた愚かでした。
返されたブルドッグを引き取ったものの、
病院にも連れて行かずエサも死なない程度に与えるだけ、
というブリーダーの資格を剥奪されるべき人間だったのです。
さらに恐ろしいのは、このブルドッグが死んでしまうことを
理解しながら、路上に放置したのです。
飼い主とブリーダーに処罰が下ったのかまでは不明ですが、
このブルドッグが2度も人間から見捨てられたということが
浮き彫りになったのでした…
素敵な名前をもらう
男性の1本の電話によって救われたブルドッグには
「プリンセス」と名付けられました。
皮膚病の治療やスタッフからの献身的な介護により、
毛並みもきれいに生えそろって健康を取り戻しました。
出典:www.adoptabullterrierrescue.co.uk
ダニが付いたからブリーダーに返す飼い主、
戻ってきた犬が再販売できないから放棄するブリーダー…
命を軽んじる人物には生き物と関わる資格はありません。
引き受けた命は最後まで責任を持つべきですね。
改めて認識させられる事案でした。